震度と耐震性能

 こんにちは。

 Rarezaの野口です。

 今年はお盆前に地震があり、地震が連休に影響を与えることが多いですね。

 今回の地震は震度6弱と元旦の能登地震に比べると揺れが少なかったため、大きな被害にはなりませんでした。

 ただ、南海トラフ地震との関連情報として出たため、新幹線の運行やお盆休みの予定変更など、さまざまな影響があったようです。

 現在の震度は7までの10段階となっていますが、1948年までは震度6が最大でした。

 それは、震度6を観測されたことがなかったからなのですが、阪神淡路大震災で初めて震度7が観測されてから、能登地震まで7回の震度7が観測されています。

 今回は、耐震補強などを何もしていない場合の震度によって耐えられる一戸建て住宅の目安を考えていきましょう。

・震度と耐震性能

 1、震度の段階

 2、耐震基準の変化

 3、被災地から見る一戸建ての強度

1.震度の段階

 震度は1~7までの10段階に分かれています

  震度1

  震度2

  震度3

  震度4

  震度5弱

  震度5強

  震度6弱

  震度6強

  震度7

 1948年の福井地震で初めて震度6を記録したことで、震度7が設定されました。

 また、阪神淡路大震災にて震度7が初めて計測されたのですが、それだけではなく、震度区分けが、震度5と震度6は弱と強と2つに分けられました。

 これは、震度5と震度6の間で、被害の差が大きかったことで、より細かく分けられました。

 つまり、1995年の阪神淡路大震災のデータを元に考えると、震度5以上となると、建物への影響が出てくるということがわかります。

 では、建物の耐震基準はどのように変わってきたか見てみましょう。

2.耐震基準の変化

 建物の耐震基準は

 1950年:建築基準法制定

 1971年:旧耐震基準

 1981年:新耐震基準

 2000年:現行の耐震基準

 の4つに分けられます。

 1971年は1968年十勝沖地震によって改正、1981年は1978年の宮城県沖地震によって改正、2000年は阪神淡路大震災によって改正されました。

 それぞれが、地震の被害によってわかったことを法律として制定しているので、改正される度に耐震性能が高くなっています。

 一戸建て住宅では特に、1981年は一つの節目と考えられており、この基準の適合不適合によって、建物の損傷リスクが大きく変わると言われています。

 2000年の後、改正されていないのは、当然大きな地震がなかったわけではありません。

 2004年:新潟県中越地震

 2011年:東日本大震災

 2016年:熊本地震

 2018年:北海道胆振東部地震

 2024年:能登半島地震

 と5回の震度7の地震が発生しています。

 では、なぜ耐震性能は改正されていないのでしょうか?

 被害状況から見てみましょう。

3.被災地から見る一戸建ての強度

 耐震基準が上がったことで、耐震性能の高い建物が増えてきました。

 2000年から何度も震度7の地震がありながら、耐震性能が引き上げられていないのは、

 2000年以降に建った建物への被害が少ない

 ということが理由として挙げられます。

 2016年の熊本地震の一戸建ての被害状況を見てみると、

 倒壊した建物

  ~1981年(旧耐震):214棟

  1981年(新耐震):76棟

  2000年~:7棟

 と耐震基準によってかなり差があります。

 つまり、これから建てる建物はかなり強いとも読み取れますが、ちょっと待ってください。

 もちろん基準によって強度が上がったことは間違いないと思いますが、2016年に起きた地震で、1981年より以前の建物というと、築35年以上の建物ということになります。

 もともと耐震性能が低かったということはあると思いますが、築年数による劣化はどうだったのでしょうか?

 2000年以降の建物でも7棟倒壊しているということは、必ずしも新しければ大丈夫と安心するのも少し違うかもしれません。

 あなたの家がその7棟の1棟になったらどうでしょうか?

 倒壊する一戸建て住宅がある一方で、何百年も前のお城などは倒壊していないわけで、基準を守るだけではなく、基準を超えることで建物は地震から守ることができると思います。

 最近では、耐震等級によって、最低基準の耐震等級1ではなく、耐震等級3にすればよいというのもあります。

 では、耐震等級3にすれば全てが解決なのでしょうか?

 耐震等級3以上に細かいところに気を配ることで、建物を守り、住む人を守ることにつながると考えます。

 Rareza 野口

Follow me!